Selective skin sensitivity changes and sensory reweighting following short-duration space flight
Catherine R. Lowrey, Stephen D. Perry, Nicholas D. J. Strzalkowski, David R. Williams, Scott J. Wood, and Leah R. Bent Show fewer authors
Journal of Applied Physiology · January 2014
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Skin sensory input from the foot soles is coupled with vestibular input to facilitate body orientation in a gravitational environment. Anecdotal observations suggest that foot sole skin becomes hypersensitive following space flight. The veritable level of skin sensitivity and its impact on postural disequilibrium observed post space flight have not been documented. Skin sensitivity of astronauts (N=11) was measured as vibration perception at the great toe, 5th metatarsal and heel. Frequencies targeted four classes of receptors: 3, 25Hz for slowly-adapting (SA) receptors; 60, 250Hz for fast-adapting (FA). Data were collected pre-, post-space flight. We hypothesized that skin sensitivity would increase post space flight and correlate to balance measures. Decreased skin sensitivity was found on landing day at 3 and 25Hz. Increased sensitivity was found for a subset of astronauts (n=6) with significantly increased sensitivity to 250Hz. This subset displayed a greater reduction in CDP EQ scores (-54%) on landing vs. non-hypersensitive participants (-11%). Observed hyposensitivity of SA (pressure) receptors may indicate a strategy to reduce pressure input during periods of unloading. Hypersensitivity of FAs coupled with reduced EQ scores may reflect targeted sensory re-weighting. Altered gravito-inertial environments reduce vestibular function in balance control which may trigger increased weighting of FAs (that signal foot contact, slips). Understanding modulations to skin sensitivity has translational implications for mitigating postural disequilibrium following space flight and for on-earth preventative strategies for imbalance in older adults.
足の裏からの皮膚感覚入力は、重力環境での体の向きを容易にするために前庭入力と結合されます。事例観察は、宇宙飛行後に足の裏の皮膚が過敏になることを示唆しています。真のレベルの皮膚感度と、宇宙飛行後に観察された姿勢の不均衡に対するその影響は文書化されていません。宇宙飛行士(N = 11)の皮膚感度は、足の親指、第5中足骨、およびかかとでの振動知覚として測定されました。周波数は、4つのクラスの受容体を対象としました。3、ゆっくりと適応する(SA)受容体の場合は25Hz。高速適応(FA)の場合は60、250Hz。データは、宇宙飛行の前後に収集されました。我々は、皮膚の感受性が宇宙飛行後の増加をもたらし、バランス測定と相関すると仮定した。着陸日の3Hzと25Hzで皮膚感度の低下が見られた。 250Hzまでの感度が大幅に向上した宇宙飛行士のサブセット(n = 6)で、感度の向上が見られました。このサブセットは、非過敏症の参加者(-11%)と比較して、着陸時のCDP EQスコア(-54%)の大幅な減少を示しました。 SA(圧力)受容体の観察された低感受性は、除荷期間中の圧力入力を減らす戦略を示している可能性があります。 EQスコアの低下と相まってFAの過敏症は、対象となる感覚の再重み付けを反映している可能性があります。変化した重力慣性環境は、バランス制御における前庭機能を低下させ、FAの重みの増加を引き起こす可能性があります(足の接触、スリップを知らせる)。皮膚の感受性への変調を理解することは、宇宙飛行後の姿勢の不均衡を緩和するため、および高齢者の不均衡に対する地球上の予防戦略のための翻訳上の意味を持っています。
概要
重力下環境では、足底感覚と前庭感覚が一緒になって姿勢調整をしている。宇宙空間といった微小重力環境におかれると前庭器官の機能が低下する。それに対して足底感覚が鋭敏になり、姿勢調節機能を補おうとする。足底感覚の変化をおこす要因を探るため、宇宙へいく前後の宇宙飛行士の踵、第5中足骨頭、母趾における感覚受容器の閾値の変化について研究を行なった。
皮膚感覚受容器には4種類あり、それぞれ受容しているものが異なる
・順応速度の速いもの、遅いもの(fast, slow) と 受容範囲の狭いもの、広いもの(1 or 2)で分類
遅くて狭い・・・SA1 凹圧
遅くて広い・・・SA2 皮膚の伸張
速くて狭い・・・FA1 皮膚の接線のコンタクト方向を検出
速くて広い・・・FA2 皮膚のすべり、速度
この中で、FA2は特に姿勢調整に関わり、前庭器官からの入力が不確実となった場合の代償に関わる。
さらに、これらの受容器は独自のHzの振動数に反応する。
SA1・・・3Hz
SA2・・・25Hz
FA1・・・60Hz
FA2・・・250Hz
これらの皮膚受容器の感覚および前庭機能を 打ち上げ前30日、地球へ戻った日、戻ってから2〜4日後に検査し、その変化について研究した。
前庭機能の検査・・・閉眼立位での重心動揺の計測→閉眼立位+床が動揺する際の重心動揺の計測 ←この差から前庭機能の働きを検査できる(ほんと?)
第5中足骨頭・・・25Hz、60Hz、250Hzに対する閾値が低い
母趾・・・60Hzに対してのみ低い
踵・・・全体的に高い
非重力環境にさらされることによって各レセプターの感度は低下するが、再荷重により2-4日後には回復する。しかし、踵における250Hzは非重力環境によってむしろ鋭敏になり、帰還後2-4日後でも鋭敏になった感覚は戻らない。
宇宙から帰ってきた宇宙飛行士の中で、250HZへの反応が過敏になった人(FA2の働き増加?)は
前庭機能の検査で能力の低下が顕著であった→ 前庭機能の低下をFA2で代償しているのではないか
アルコール摂取後、前庭機能の低下を引き起こし、高HZ数の振動刺激に対する姿勢調整も強い相関があることから、アルコール摂取後にもFA2の働きは増加している可能性
皮膚のチャネルの鋭敏性はCNSによって増減する可能性がある。
宇宙飛行士は帰還後足が「スポンジのようだ」とか「ヒリヒリする、うずく」といった表現をすることがある。FA2に電気刺激を加えた際には受容器にそって振動を知覚するため、FA2に沿った神経活動の増加が重力環境下に戻った際の知覚に影響を与えている可能性がある。
高齢者の転倒リスクが高い要因の1つとして皮膚感覚の低下があげられる。インソールを入れたり、振動刺激により皮膚の閾値を変えることで皮膚への入力を改善できる可能性がある。
ヒトの体はおかれた環境に応じて4つのレセプターの重要度を変化させ、より安全な動きができるようにしている。
ここから考察
受容器が4つあることは知っていたけど、反応するHzが異なるとは・・・
250Hzの振動刺激をいれることでより安全な動作が可能になるのだろうか。
250Hzの音はyoutubeにあるので、スピーカーを足の裏にあてて振動刺激を加えたら変化がみれるのかな・・・ 近日中に試してみます。多分。評価が難しいかあと思ったのが
第5中足骨頭・・・25Hz、60Hz、250Hzに対する閾値が低い
母趾・・・60Hzに対してのみ低い
踵・・・全体的に高い
→第5中足骨頭における感覚が姿勢調整に大きくかかわる?
→母趾においては方向性が重要?→toe offの際どちらの方向へ動くのかが重要?
内藤先生は振動刺激として70Hzをいれた際に腕の伸展錯覚がおきやすいっておっしゃってたけど筋紡錘は70Hzなのかな